東海圏の中でも岐阜県は、沿道型の巨大モールと駅前型の中規模モールが共存し、平日・休日ともに安定した集客を見込めるエリアです。商業施設の“常時人流”は賃貸需要の土台。とくに従業員・サービスワーカー・テナント関係者・周辺テナントの二次雇用層まで含めると、ワンルーム〜2LDKの需要が年間を通じて安定しやすいのが特徴です。本稿では「具体的な施設名」を挙げながら、投資の見立てと間取り戦略、注意点をまとめます。
岐阜の主要・大型商業施設(抜粋)
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イオンモール各務原インター[各務原市]…県内最大級のモール。IC至近で広域集客。
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モレラ岐阜[本巣市・モレラ岐阜駅前]…映画館・イベント含む大規模SC。樽見鉄道の駅前立地で“公共交通×モール”の稀少性。
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マーサ21[岐阜市]…老舗の地域密着型モール。近年もイベント・テナント更新が続く。
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カラフルタウン岐阜[岐阜市柳津側]…トヨタのオートモール併設。ファミリー来訪が厚い。
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アクアウォーク大垣[大垣市・大垣駅北口]…駅近の大型SCで通勤利便と買物利便が両立。
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土岐プレミアム・アウトレット[土岐市]…中京圏有数のアウトレット。広域ドライブ来訪と観光需要が厚い。
投資の見立て:どこで“効く”か
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駅近×モールの重なり
「アクアウォーク大垣」のように駅徒歩圏に大型SCがある地点は、単身~DINKSの“車不要層”に刺さりやすく、30〜45㎡の1LDKで稼働を作りやすい。退去原状回復コストも抑えやすく、回転型の賃料改定が効きます。 -
IC近接×超大型モール
「イオンモール各務原インター」は従業員・周辺二次雇用だけでもボリュームが大きい。40〜55㎡の1LDK/2K+駐車場1〜2台のセットで、車通勤層の長期入居を狙う戦略が有効。 -
郊外核×鉄道アクセスの稀少性
「モレラ岐阜」は駅直結でイベント頻度も高い。35〜45㎡の1LDKに宅配ボックス・ネット無料を標準装備すると、テナント・ショップスタッフの入替需要を継続的に取り込めます。 -
ファミリー厚めの商圏
「カラフルタウン岐阜」「マーサ21」周辺は週末の家族来訪が厚い。55〜70㎡の2LDK(駐車2台)や70〜80㎡の3LDKで“育児動線×買物利便”を訴求。学校区・保育園距離の表示を徹底。 -
観光・広域来訪の波を掴む
「土岐プレミアム・アウトレット」通勤圏は、季節要因の繁閑あり。家賃より固定費(光熱・駐車)透明性を重視し、マンスリー需要や同棲前提の1LDKも織り交ぜると空室耐性が上がります。
プラン・仕様の勘所
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駐車場は“1戸1.2〜1.5台”想定(単身主体でも来客・二台持ちの吸収弁)。
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宅配ボックス/防犯カメラ/ネット無料は“入居決定スイッチ”。
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遮音・断熱はEV・沿道騒音対策として広告価値が高い。
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単身向けは可動収納・2口IH・独立洗面を標準化、ファミリーは回遊動線+物入れ量を厚く。
リスクと対策
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渋滞・右折導線の悪さは“内見離脱”に直結。夜間の出入り動線まで現地確認。
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テナント入替の波で施設吸引力が上下するため、駅・学校・病院など非商業の利便も担保できる立地を選ぶ。
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車依存度の高さゆえ、**駐車場レイアウトの柔軟性(縦列→並列化余地)**を初期設計に。
まとめ:岐阜は“モール×暮らし導線”で勝つ
岐阜県は「IC至近の超大型」と「駅近の中大型」が点在し、職住近接の短距離賃貸が組みやすい市場です。まずは
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各務原(イオン各務原インター周辺)、
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本巣(モレラ岐阜駅前)、
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岐阜市(マーサ21/カラフルタウン圏)、
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大垣(大垣駅北×アクアウォーク)、
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土岐(アウトレット通勤圏)
の5極を軸に、1LDK中心+P1〜2台の新築アパートを企画。将来の賃料改定のしやすさと、入居者属性の厚みで“出口の読みやすさ”も確保できます。施設の具体像・立地特性は上記の公式情報や最新の施設一覧を随時確認し、計画地の夜間交通・騒音・生活導線まで含めてチェックする——これが岐阜での堅実な勝ち筋です。