兵庫県高砂市は、古くからの歴史と、播磨臨海工業地帯を支える「ものづくりの街」としての顔を併せ持つユニークなエリアです。不動産投資の視点で見ると、神戸や姫路といった大都市のベッドタウンでありながら、市内にも強固な雇用基盤があるという「底堅さ」が魅力です。
高砂市で新築アパート経営を成功させるための戦略について、市場背景とターゲット設定の観点から解説します。
1. 高砂市の賃貸市場と投資の魅力
高砂市は、東の加古川市、西の姫路市に挟まれたコンパクトな市です。この立地条件が、アパート経営において3つの大きなメリットをもたらします。
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強固な労働人口の存在: 市内には三菱重工業、サントリー、キッコーマン、三菱製紙などの大手企業の工場が立ち並びます。これらの企業に勤める単身者や若年層ファミリーの賃貸需要が一定数常に存在します。
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「職住近接」と「広域アクセス」の両立: 山陽電鉄(高砂駅、荒井駅など)やJR山陽本線(曽根駅、および隣接する宝殿駅)を利用すれば、姫路まで約15分、明石まで約20分、三宮まで約45分圏内です。
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割安な土地価格: 神戸市や明石市に比べ、土地の仕入れコストを抑えられるため、新築であっても高い利回りを狙いやすいのが特徴です。
2. 狙うべきターゲット層とエリア選定
新築アパートを建てる際、最も重要なのは「誰に貸すか」を明確にすることです。高砂市では主に以下の2層がターゲットとなります。
① 臨海工業地帯の単身・DINKS層
荒井駅や高砂駅周辺は、大手企業の拠点に近く、徒歩や自転車での通勤を希望する層に人気です。
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設備ニーズ: 宅配ボックス、高速インターネット(無料)、オートロック、システムキッチンなどの「都市型設備」が必須です。新築であれば、近隣の中古物件との差別化としてスマートホーム設備の導入も有効です。
② 子育て支援を重視するファミリー層
高砂市は待機児童が少なく、子育て支援に力を入れているため、あえて隣接市から移り住む家族もいます。
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推奨エリア: JR曽根駅周辺や、加古川市との境界に近い宝殿駅近辺。
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設備ニーズ: 2LDK以上の間取り、追い焚き機能、十分な収納スペース、そして**「駐車場2台確保」**が必須条件です。このエリアは車社会であるため、駐車場の有無が空室率に直結します。
3. 高砂市における新築アパート投資の収支イメージ
新築アパート投資は、中古物件に比べて融資期間を長く(最長35年程度)取れるため、毎月のキャッシュフローを安定させやすいのが特徴です。
| 項目 | 目安・特徴 |
| 想定表面利回り | 6.5% 〜 8.0% 前後 |
| 土地代 | 坪20万円 〜 35万円程度(エリアによる) |
| 融資条件 | 新築のためフルローンに近い融資が引きやすい |
| 修繕リスク | 築10年〜15年は大規模修繕が不要 |
4. 成功のための注意点:供給過剰と差別化
高砂市で投資を行う際の注意点は、**「エリアによる需要の偏り」**です。
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車社会への対応: 駅近であっても、高砂市では駐車場ニーズが非常に高いです。敷地内に台数を確保できない場合は、近隣の月極駐車場を事前に確保するなどの対策が必要です。
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ハザードマップの確認: 加古川の河口付近や海に近いエリアでは、浸水リスクを確認する必要があります。新築であれば、基礎を高くする、電気設備を上階に配置するなどの対策で資産価値を守ることができます。
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デザインとトレンド: 近年、高砂市内でもスタイリッシュなデザイナーズアパートが増えています。単なる「四角い箱」ではなく、外観デザインや内装のアクセントクロスなどで「選ばれる理由」を作ることが長期入居に繋がります。
5. まとめ:高砂市は「安定」を求める投資家に適した街
高砂市での新築アパート投資は、爆発的な値上がり(キャピタルゲイン)を狙うというよりは、安定した賃料収入(インカムゲイン)を長期にわたって確保するスタイルに向いています。
大手企業の工場群という揺るぎない賃貸需要の核があり、かつ土地価格が手頃なため、地方都市投資の入り口としても、ポートフォリオの安定化を図る中堅投資家にもお勧めできるエリアです。