昨今、東京や大阪といった都市部でのアパート投資は利回りの低下が著しく、空室リスクや初期投資の高騰に悩まされるケースが増えています。そんな中、新たな投資の可能性として注目されているのが「工業都市型新築アパート投資」です。今回は、製造業が盛んな滋賀県にフォーカスし、上場企業の工場とリンクした安定的な賃貸需要と、それに基づく投資戦略について解説します。
滋賀県は「工業県」:製造品出荷額全国9位
滋賀県は、面積こそ全国26位ながら、工業出荷額では全国でも上位に位置する「隠れた工業県」です。
令和4年の「工業統計調査」によると、滋賀県の製造品出荷額は約8.6兆円で、全国第9位にランクインしています。製造業の比率が高く、県内総生産の約37%を占めており、まさに“ものづくり県”としての地位を確立しています。
この背景には、大手上場企業の製造拠点が集積していることがあります。
滋賀県に拠点を置く上場企業の一例(2025年時点)
企業名 | 拠点所在地 | 従業員数(概算) | 主な事業内容 |
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パナソニックエナジー | 守山市 | 約1,500名 | 車載電池の製造・研究 |
村田製作所 | 野洲市 | 約2,000名 | 電子部品(コンデンサ等) |
オムロン | 草津市 | 約1,200名 | 制御機器・医療機器 |
住友電気工業 | 近江八幡市 | 約800名 | 自動車・インフラ部品 |
日本電産(NIDEC) | 彦根市 | 約900名 | 精密モーター |
これらの工場では正社員だけでなく、期間工、派遣社員、取引先企業の出張者も多く、賃貸ニーズが安定的に発生しています。特に単身赴任者向けの住居需要は高く、1K〜1LDKのアパートは高稼働率を維持しています。
滋賀県の賃貸需要と家賃相場(2025年現在)
例えば、守山市・野洲市・草津市周辺の単身向け1K〜1LDKの家賃相場は以下の通りです:
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草津市:1K(25㎡)…5.5万円〜6.2万円
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守山市:1K(25㎡)…5.0万円〜5.8万円
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野洲市:1LDK(35㎡)…6.2万円〜6.8万円
※駐車場代は別途4,000〜7,000円程度が一般的。
新築アパートであれば、これらの相場の**+0.5〜1万円**のプレミアム設定が可能です。また、法人契約や社宅需要が見込まれる地域では、長期入居率が85〜90%以上に達する物件もあります。
投資成功のポイント
1. 立地戦略
工場へのアクセスは車10分圏内がベスト。社員が通勤しやすいエリアを狙いましょう。
2. 法人契約・社宅需要の取り込み
物件完成前に地場の仲介会社や法人担当者へアプローチを行うことで、空室リスクの大幅低減が可能になります。
3. 設備充実と競合との差別化
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インターネット無料(入居決定の要因上位)
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宅配ボックス
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ウォークインクローゼット
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ホテルライクなエントランス
これらを導入することで、家賃1,000〜2,000円の上乗せも現実的です。
まとめ
「工業都市型新築アパート投資」は、製造業の人材需要に裏打ちされた実需型の不動産投資です。滋賀県のように上場企業が多数進出し、安定雇用が期待できる地域では、家賃の下支えと長期入居の両方を見込めます。
今後も国内製造業の再評価、半導体・EV分野への投資拡大などの追い風がある中で、こうした工業都市における賃貸住宅の需要は、一定の強さを維持していくと見られています。
「都会の高値掴み」ではなく、「地方の堅実運用」。
これからの時代のアパート投資の新たな選択肢として、滋賀県での新築アパート投資をぜひご検討ください。