京都市北区で新築アパート投資を検討する際、土地を持っていない投資家にとって重要なのは、「学生が多い」「北大路駅が便利」といったエリアの印象だけで土地を選ばないことです。北区には大谷大学、佛教大学、立命館大学衣笠キャンパス、京都産業大学など複数の大学が立地し、北大路駅は地下鉄烏丸線と市バスの交通結節点になっています。一方、北大路駅徒歩圏などでは土地価格が高く、第一種低層住居専用地域や高さ規制によって共同住宅の建築ボリュームを確保しにくい地点もあります。本記事では、賃貸アパート限定の募集賃料、交通、大学、まちづくり、公示地価10年推移を整理し、土地取得を含む総投資額で新築アパート投資を考えるための判断材料をまとめます。
この記事のポイント
京都市北区の2026年9月1日人口は113,783人・58,831世帯。地下鉄北大路駅の令和6年度1日平均乗降人員は31,135人で、駅地下には北大路バスターミナルがあります。2026年9月10日時点の賃貸アパート平均募集賃料は7.6万円、新築アパート平均は8.6万円。北大路駅320mの住宅地公示地価は2026年470,000円/㎡で、同地点は2017年から約32.0%上昇しています。ただし第一種低層住居専用地域・容積率100%・最高10mの地点であり、土地先行では地価と建築可能戸数を必ずセットで確認する必要があります。
情報確認日:2026年9月19日
京都市北区の賃貸需要を新築アパート投資の視点で見る
人口113,783人・58,831世帯をどう読むか
京都市北区の人口は2026年9月1日時点で113,783人、世帯数は58,831世帯です。ただし、「人口が11万人を超えるから新築アパート需要が強い」と判断することはできません。
北区は、地下鉄北大路・北山方面、紫野・大徳寺方面、衣笠・北野白梅町方面、西賀茂・上賀茂方面などで、交通手段、土地価格、大学への動線、用途地域が異なります。土地先行では、区全体の人口よりも購入候補地の駅・バス停への距離、競合アパート、専有面積、築年数、設備、募集期間を敷地単位で確認します。
北区で土地を探す段階の確認事項
- 地下鉄・嵐電・市バスを含めた実際の通勤・通学動線
- 計画する専有面積に近い賃貸アパートの募集賃料
- 新築・築浅アパートの競合戸数と募集期間
- 用途地域・容積率・高度地区・景観規制から確保できる賃貸床
- 土地+建物+諸費用を含めた総投資額
賃貸アパートの家賃相場を新築アパート投資でどう読むか
マンション限定データを除外し、アパートだけで確認
家賃相場はマンション限定データを使用せず、ハウスコムが2026年9月10日に掲載していた京都市北区の賃貸アパートを対象とする募集賃料を確認しました。賃貸アパート全体の平均は7.6万円、新築アパートは8.6万円です。
| 確認条件 | 募集賃料 | 新築アパート投資での見方 |
|---|---|---|
| 京都市北区・賃貸アパート全体 | 7.6万円 | ハウスコム掲載中の賃貸アパートの平均。2026年9月10日時点、共益費除く。 |
| 一人暮らし向けアパート | 6.9万円 | 間取り・専有面積が異なる物件を含むため、単身向け計画の入口として使用。 |
| アパート20~30㎡ | 6.5万円 | 単身向け新築計画で比較しやすい専有面積帯の参考値。 |
| アパート30~40㎡ | 8.5万円 | 広めの単身・二人入居等を想定する際の参考値。 |
| 新築アパート | 8.6万円 | 築年数別のアパート限定集計。個別土地の想定賃料ではない。 |
いずれも共益費を除く掲載募集賃料の平均です。築年数・専有面積・間取り・最寄駅が異なる物件を含むため、新築アパート平均8.6万円を購入候補地の想定賃料としてそのまま採用することはできません。
平均家賃ではなく、購入候補地へ条件を寄せる
たとえば20~30㎡のアパート平均は6.5万円、30~40㎡では8.5万円です。新築アパート平均だけを見るよりも、計画する専有面積と駅・バス条件へ近づけて比較する方が、土地取得前の賃料査定として実務的です。
特に北区は大学周辺と北大路駅周辺、衣笠方面などで入居者の生活動線が異なります。大学名だけで学生向けと決めず、一般社会人を含めて誰がどの交通手段で暮らす立地なのかを整理します。
募集賃料と成約賃料は分けて考える
北区の新築アパートについて、駅勢圏・間取り・専有面積別に十分な件数の成約賃料を確認できる公開データは取得できませんでした。そのため、本記事では募集賃料を使用しています。
募集賃料と実際の成約条件は一致せず、募集期間や条件交渉、市況によって差が生じる場合があります。土地先行の収支では一律の調整率を置くのではなく、購入候補地を扱う管理会社等から直近の成約事例を確認して想定賃料を設定します。
アクセス・駅利用規模を新築アパート投資でどう評価するか
北大路駅は地下鉄と市バスが接続する交通結節点
地下鉄北大路駅は烏丸線の駅で、京都駅方面へ乗り換えなしで移動できます。駅地下2階には北大路バスターミナルがあり、地下鉄と市バスを組み合わせて北区内外へ移動できます。
市バス時刻表では、北大路バスターミナルから京都産業大学方面、佛教大学方面、京都駅、四条河原町、金閣寺方面など複数の系統が設定されています。鉄道駅から離れた土地を検討する場合、最寄駅だけではなくバス停までの距離・運行系統も入居者の生活利便性として確認します。
北大路駅の令和6年度1日平均乗降人員は31,135人
京都市交通局の令和6年度交通事業白書に基づく駅別データでは、北大路駅の1日平均乗降人員は31,135人です。これは乗車・降車を合計した「乗降人員」であり、乗車人員だけの数字ではありません。
| 交通拠点 | 最新確認値・機能 | 新築アパート投資での見方 |
|---|---|---|
| 地下鉄北大路駅 | 令和6年度 1日平均乗降人員 31,135人 | 烏丸線で京都駅方面へ直結。駅地下に北大路バスターミナルを備える。 |
| 北大路バスターミナル | 京都産業大学、佛教大学、京都駅、四条河原町等への市バス系統 | 鉄道駅から離れる北区内の候補地では、バス動線も生活利便性の評価材料。 |
駅利用規模は交通拠点としての大きさを見る指標ですが、31,135人全員が賃貸住宅の見込み入居者ではありません。土地価格、駅・バス停への距離、大学・勤務先への動線、周辺アパートの賃料と重ねて判断します。
大学集積を賃貸需要の補助指標として見る
北区は複数大学が立地する『大学のまち』
京都市北区には、大谷大学、京都産業大学、佛教大学、立命館大学など複数の大学キャンパスがあります。北区の2026年まちづくり運営方針でも、区内大学との連携をまちづくりの取組として掲げています。
大学が複数あることは学生・教職員の移動を考える材料になりますが、「大学がある=学生向けアパートの入居が保証される」という意味ではありません。自宅通学、学生寮、他区からの通学などもあるため、対象地ごとに実際の募集状況を確認します。
大谷大学は2026年5月時点で学部・大学院合計3,149人
北大路駅近くの大谷大学では、2026年5月1日時点で学部3,082人、大学院修士課程48人、博士後期課程19人が在籍しており、合計3,149人です。大学所在地は北区小山上総町で、北大路駅の周辺施設として京都市交通局も案内しています。
また、立命館大学衣笠キャンパスでは2026年4月にデザイン・アート学部・研究科が開設されています。こうした大学機能は地域特性の一つですが、将来の賃料上昇を保証する材料ではなく、対象地の入居者像を考える補助情報として扱います。
まちづくり・建築規制を新築アパート投資でどう評価するか
2026年の北区まちづくり運営方針は『再開発計画』ではない
京都市北区は2026年6月に「北区まちづくり運営方針」を策定し、2026~2030年度の中期目標として、大学・事業者・地域など多様な主体がつながるまちづくりや、安心安全、健康、文化の継承などを掲げています。
この運営方針は区全体のまちづくりの方向性を示すものであり、特定駅前の大型再開発が事業化されたことを意味しません。新築アパート投資では、政策方針を将来賃料へ先に織り込まず、現在確認できる家賃・交通・土地条件で収支を組みます。
2026年8月に新しい京都市都市計画マスタープランを策定
京都市は2026年8月31日に新しい都市計画マスタープランを策定しました。2050年を目標年次とし、「守る×伸ばす」「まち柄×アップデート」「コンパクト×ネットワーク」を基本的な考え方としています。
これも個別の土地に建てられるアパート規模を決める資料ではありません。具体的な土地では、用途地域、建ぺい率・容積率、高度地区、景観地区等を個別に確認する必要があります。
低層住居専用地域では土地価格だけでなく建築可能ボリュームを見る
京都市では高度地区による高さ規制や景観に関する地区指定があり、地区によって工事着工前に申請等が必要になる場合があります。北区でも公示地価の標準地を見ると、北大路駅近くの小山西花池町は第一種低層住居専用地域・容積率100%・最高10m、小松原北町は容積率80%・最高10mです。
土地を取得した後で『想定していた戸数が入らない』という状況を避けるため、買付前に建築可能床面積、階数、住戸配置、景観手続まで確認することが土地先行では重要です。
公示地価10年推移と土地先行を新築アパート投資でどう考えるか
2026年公示地価と建築条件をセットで比較する
2026年地価公示から北区内の住宅地3地点を比較すると、北大路駅320mの小山西花池町1番9が470,000円/㎡、衣笠高橋町21番3が293,000円/㎡、小松原北町19番7が272,000円/㎡です。
| 住宅地標準地 | 2026年公示地価 | 主な法規・交通 | 土地先行での確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 小山西花池町1番9 | 470,000円/㎡ | 北大路駅320m 第一種低層住居専用地域 60%/100% 最高10m・市街地美観形成 |
駅近で高地価だが低層・低容積。鑑定評価書でも収益物件の建築想定は現実的でないと評価。 |
| 衣笠高橋町21番3 | 293,000円/㎡ | 円町駅2.2km 第二種中高層住居専用地域 60%/200% 最高15m・旧市街地美観 |
容積率は高い一方、駅距離や周辺賃料、実際の敷地形状を同時に確認。 |
| 小松原北町19番7 | 272,000円/㎡ | 円町駅1.9km 第一種低層住居専用地域 50%/80% 最高10m |
低容積率・小規模画地のため、鑑定評価書は経済合理性のある賃貸需要の想定が困難と記載。 |
これらはアパート用地として推奨する地点ではなく、「同じ北区でも土地価格と法規制が異なる」ことを見るための参考標準地です。実際の候補地では、同じ用途地域でも接道、間口、敷地面積、形状等によって建築可能戸数は変わります。
北大路駅320mの住宅地は2017年から2026年に約32.0%上昇
10年推移は、同一地点で継続比較できる「京都北-5 小山西花池町1番9」を採用します。2017年356,000円/㎡から2026年470,000円/㎡へ上昇しています。
10年間で114,000円/㎡、約32.0%の上昇です。公示地価は標準地の正常価格であり、個別の土地が実際に売買される価格そのものではありません。また、この地点の推移を北区全体の地価上昇率として扱うこともできません。
地価上昇と新築アパート収益性は同じ方向に動くとは限らない
土地を新たに購入する新築アパート投資では、地価上昇は土地取得費を押し上げます。一方、募集賃料が土地価格と同じ約32%上昇するわけではありません。土地価格だけが上がれば、土地+建物+諸費用の総投資額に対する収益性を圧迫する可能性があります。
さらに小山西花池町の標準地は第一種低層住居専用地域・容積率100%・最高10mで、国土交通省の鑑定評価書でも画地規模・行政的条件を踏まえ「収益物件の建築を想定することが現実的でない」とされています。この地点自体をアパート用地として評価するのではなく、北区で土地を選ぶ際に『高い地価+低い容積率』が1戸当たり土地負担へどう影響するかを考える材料になります。
北区で土地購入前に照合する5項目
- 土地取得価格と用途地域・容積率・高さ制限
- 敷地形状・接道を反映した建築可能戸数
- 1戸当たりの土地・建築コスト
- 対象駅・バス動線・専有面積が近いアパート募集・成約事例
- 融資・諸費用まで含めた総投資額
施工事例のご紹介|今回は福井県福井市の施工事例をご紹介します
福井県福井市の木造アパート施工事例
今回はインテグラルが手掛けた北陸エリア・福井県福井市の木造アパート施工事例をご紹介します。エリアは京都市北区とは異なりますが、新築アパートで外観・内装をどのように商品としてつくり込むかを見る参考としてご覧ください。






北区では、土地条件によって建築できるボリュームが限られるケースがあるため、土地の形状を生かしながら外観・内装・設備の商品力をどう確保するかが重要です。建物デザインを土地取得後に考えるのではなく、法規制・住戸数・賃料査定と同時に計画します。
インテグラルの実施工物件は、施工事例(外観・内装)を見るから確認できます。
土地なしから京都市北区で新築アパート投資を進める際のインテグラルのサポート
京都府はインテグラルの施工対応エリア
インテグラル公式サイトでは京都府を施工エリアとして案内しており、土地を所有していない方には土地探しからサポートするとしています。北区では、駅近の高地価エリアと低層住宅地、大学周辺などで条件が異なるため、土地取得と建築プランを別々に判断せず、同時に事業収支を組み立てることが重要です。
土地なしから検討する流れは、はじめての新築アパート投資についてで確認できます。
複数棟を所有するオーナーの体験談も確認できる
インテグラル公式サイトでは、複数棟を運用するオーナーの体験談を公開しています。個別の成果を京都市北区での投資成果へ一般化することはできませんが、土地・建物・デザインをどのように検討しているかを見る資料になります。
京都市北区で新築アパート投資を検討する際のまとめ
京都市北区は、北大路駅の地下鉄・バスターミナル、大谷大学をはじめとする複数大学など、学生・社会人の生活動線を考える材料があります。一方、北大路駅徒歩圏では住宅地公示地価が上昇し、低層住居専用地域や高度地区によって共同住宅の建築ボリュームを取りにくい土地もあります。
京都市北区で土地先行する際の確認事項
- 北大路・紫野・衣笠など生活圏ごとに賃貸市場を分けて見る
- マンション限定データではなく、賃貸アパート・新築アパートの募集事例を確認する
- 大学や駅利用者数は需要保証ではなく入居者像を考える補助指標として使う
- 土地価格と容積率・高さ・景観規制をセットで確認する
- 土地+建物+諸費用の総投資額と建物の商品力まで一体で検討する
本記事の数値はエリア選定の入口となる参考情報です。具体的な土地では、用途地域、高度地区、景観規制、接道、地盤、災害リスク、建築可能戸数、周辺競合、賃料査定、金融機関の評価などを個別に確認する必要があります。

