大阪市に隣接し、京阪本線・大阪モノレール・Osaka Metro長堀鶴見緑地線などを利用できる門真市では、複数の大型プロジェクトが動いています。
門真市駅前では、老朽化した門真プラザと駅前広場を含む約2.0haを対象に第一種市街地再開発事業が進行中です。古川橋駅北側では大規模な住宅・公共施設整備が進み、さらに大阪モノレールは門真市駅から瓜生堂方面へ約8.9km延伸する計画です。
ただし、新築アパート投資では「再開発があるから将来家賃が上がる」と考えるのではなく、現在の賃貸需要、実際の新築アパート募集賃料、土地価格、建築可能戸数を確認したうえで土地を選ぶ必要があります。本記事では、土地を持っていない投資家が門真市で新築アパートを計画する際の判断材料を整理します。
※人口・世帯数は門真市、再開発は門真市および門真市駅前地区市街地再開発組合、大阪モノレール延伸は大阪府・大阪モノレール公表資料を参照。
情報確認日:2026年10月14日
門真市の再開発を新築アパート投資でどう見るか
2026年現在の門真市では、一つの再開発だけではなく、複数の都市更新が同時に進んでいます。
| エリア | 主な動き | 2026年時点 |
|---|---|---|
| 門真市駅前 | 住宅・商業・駅前広場を含む第一種市街地再開発 | 権利変換認可済み・解体準備へ |
| 古川橋駅北側 | 土地区画整理・大型住宅・文化施設等の整備 | KADOMADO開館・大型住宅完成予定 |
| 松生町~門真南 | 大阪モノレール延伸・新駅整備 | 工事進行中 |
| 松生町 | ららぽーと門真・三井アウトレットパーク大阪門真 | 2023年開業済み |
これらの整備によって生活利便性や交通利便性が変化する可能性がありますが、再開発の存在だけで賃貸需要や賃料上昇を判断することはできません。
「再開発によって将来どう変わるか」と「現在、その土地でいくらの賃料を取れるか」を分けて考えます。現在の条件だけでも事業収支が成立する土地を選び、再開発は将来の上振れ材料として評価することが重要です。
門真市駅前|第一種市街地再開発が本格化
門真市駅前では、「門真市駅前地区第一種市街地再開発事業」が進められています。
対象となるのは、1970年代から駅前の住宅・商業機能を担ってきた門真プラザと駅前広場を含む約2.0haです。老朽化や耐震性、駅前のにぎわい不足といった課題を背景に、土地を高度利用し、住宅・商業・業務機能と駅前空間を一体的に更新します。
| 項目 | 計画内容 |
|---|---|
| 施行区域 | 門真市新橋町の一部・約2.0ha |
| 住宅棟 | 地上43階・高さ約162m |
| 住宅戸数 | 約510戸 |
| 商業棟 | 地上4階・商業・業務機能 |
| 駅との接続 | 門真市駅直結デッキ等を整備 |
| 建築工事 | 2028年度着工予定 |
| 竣工 | 2032年度予定 |
2026年7月には大阪府から権利変換計画の認可を受け、再開発組合は同年11月から解体工事の準備工事に着手する予定としています。
つまり、門真市駅前再開発は構想段階ではなく、既存建物の解体に向けて具体的に進んでいる段階です。
約510戸の住宅供給も投資判断では確認する
再開発によって駅前の利便性や認知度が高まる可能性がある一方、約510戸の住宅が新たに供給される予定です。
分譲住宅と木造賃貸アパートではターゲットや価格帯が異なるため単純な競合ではありませんが、「再開発によって住宅需要だけが増える」と一方向に捉えるのではなく、周辺の住宅供給もあわせて確認する必要があります。
門真市駅周辺で土地を見る際のポイント
駅前再開発に近いことだけではなく、門真市駅への徒歩分数、ららぽーと方面への生活動線、用途地域、前面道路、土地価格、同条件の賃貸募集を確認して収支へ落とし込みます。
古川橋駅北側|住宅・公共施設を一体的に整備
門真市駅と並び、都市更新が大きく進んでいるのが京阪古川橋駅周辺です。
古川橋駅北側では、若い世代の流出抑制や子育て世帯を中心とした人口流入を目的に、住宅市街地総合整備事業や土地区画整理事業が進められています。
648戸・41階建ての大型住宅が完成予定
古川橋駅徒歩4分では、幸福東土地区画整理事業の街区内に地上41階・総戸数648戸の「シティタワー古川橋」が建設されています。
2026年10月中旬の完成、2027年春の引渡しが予定されており、古川橋駅前の居住人口や街の景観を大きく変える住宅供給です。
KADOMADOが2026年5月に開館
2026年5月13日には、古川橋駅北側に「門真市立文化創造図書館KADOMADO」が開館しました。
図書館だけでなく、文化・学習活動や地域交流を担う複合施設として整備されており、古川橋駅北側では住宅だけでなく公共空間・文化施設を含めた街区形成が進んでいます。
大型分譲住宅や公共施設の完成は街の変化を確認する材料になります。ただし、タワーマンションの販売価格や戸数をアパート賃料の根拠にはせず、木造賃貸アパートの競合募集を別に確認します。
大阪モノレール延伸|2033年度の開業を目標
門真市の中長期的な交通環境を見るうえで重要なのが、大阪モノレールの南伸事業です。
現在の終点である門真市駅から、(仮称)瓜生堂駅まで約8.9kmを延伸し、途中に(仮称)松生町駅、門真南駅、鴻池新田駅、荒本駅などを整備する計画です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 延伸区間 | 門真市駅~(仮称)瓜生堂駅 |
| 延長 | 約8.9km |
| 新設駅 | 5駅 |
| 接続予定 | Osaka Metro長堀鶴見緑地線・JR学研都市線・近鉄けいはんな線・近鉄奈良線 |
| 開業目標 | 2033年度 |
延伸によって門真市から南北方向の鉄道ネットワークが広がり、現在は乗換えが必要なJR・近鉄方面との接続性が変化することになります。
また、ららぽーと門真・三井アウトレットパーク大阪門真の近くには(仮称)松生町駅が計画されています。
開業目標は2033年度です。現在土地を購入する場合は、延伸後の想定賃料ではなく現在の交通条件で収支を計算し、モノレール延伸は中長期の追加材料として評価します。
2023年開業のららぽーと門真も生活利便性の変化を確認する材料
門真市駅から徒歩圏の松生町では、2023年4月17日に「三井ショッピングパーク ららぽーと門真」と「三井アウトレットパーク 大阪門真」が開業しました。
開業時は両施設を合わせて251店舗の大規模商業施設で、同一街区周辺では分譲住宅や事業所、コストコ門真倉庫店なども整備されています。
さらに門真市は、門真市駅からららぽーと門真までの公共空間活用を検討し、ウォーカブルなまちづくりを進めています。
商業施設への来訪者数をそのまま賃貸需要と考えることはできませんが、入居者の日常生活における買い物利便性やエリア認知度を確認する材料にはなります。
門真市の賃貸需要をどう見るか
人口114,527人・65,273世帯
門真市の人口は2026年10月1日時点で114,527人、世帯数は65,273世帯です。
市域は12.30平方キロメートルとコンパクトですが、京阪本線の西三荘・門真市・古川橋・大和田・萱島、Osaka Metro長堀鶴見緑地線の門真南、大阪モノレール門真市駅と、複数の鉄道駅があります。
そのため「門真市全体」で賃貸需要を判断するのではなく、京阪沿線、門真南周辺、門真市駅周辺など、候補地ごとの駅勢圏に分けて確認する必要があります。
20代・30代の転出抑制は市の課題
一方、門真市は2026年度施政方針の中で、20代から30代の転出抑制を市の課題として挙げています。
これは、新築アパート投資において市全体の人口だけを見て「需要が強い」と判断できない理由でもあります。
若い単身者や2人世帯をターゲットとする場合は、駅距離、間取り、専有面積、設備、周辺の募集戸数などを具体的に確認する必要があります。
土地を探す段階で確認したい5項目
- 実際に利用する駅と徒歩分数
- 同じ専有面積・築年数の新築・築浅アパート
- 募集賃料だけでなく競合戸数・募集期間
- 用途地域・容積率・接道から確保できる賃貸床
- 土地+建物+諸費用を含めた総投資額
門真市の新築アパートの募集賃料を確認
土地から新築アパートを計画する場合、市全体の平均家賃だけではなく、実際に現在募集されている新築アパートを見る方が、候補地の事業収支を考える材料になります。
門真市内で確認できる新築1LDKの募集事例を見ると、次のような条件があります。
| 所在地 | 最寄駅 | 駅徒歩 | 間取り | 専有面積 | 募集賃料 |
|---|---|---|---|---|---|
| 三ツ島2丁目 | 門真南駅 | 徒歩6分 | 1LDK | 41.62㎡ | 7.9万円 |
| 五月田町 | 古川橋駅 | 徒歩19分 | 1LDK | 34.55㎡ | 8.1万円 |
| 上野口町 | 大和田駅 | 徒歩13分 | 1LDK | 32.88㎡ | 7.6万円 |
| 城垣町 | 萱島駅 | 徒歩7分 | 1LDK | 34.51㎡ | 7.6万円 |
※2026年10月14日時点で確認できるSUUMO掲載情報から、新築・賃貸アパートの募集事例を抜粋。管理費・共益費等を除く募集賃料です。募集終了・条件変更となる場合があります。
「門真市の1LDKなら○万円」と一律には設定できない
上記はいずれも1LDKですが、専有面積は約33㎡から約42㎡、駅徒歩は6分から19分まで異なります。
それでも7万円台後半から8万円台前半の募集例が確認できる一方、設備、階数、初期費用、駅勢圏などの違いもあるため、この4物件だけから「門真市の適正賃料」を決めることはできません。
実際に土地を検討する際は、候補地と同じ駅・徒歩帯・専有面積・設備に条件をそろえ、競合する新築・築浅物件を複数比較する必要があります。
「30㎡台を9戸取れる土地」と「40㎡台を6戸取れる土地」では、設定できる賃料も年間収入も変わります。土地を契約する前に建築ボリュームと想定賃料を組み合わせることが重要です。
公示地価から門真市の土地取得コストを見る
2026年地価公示の住宅地を見ると、同じ門真市内でも駅距離やエリアによって価格水準が異なります。
| 標準地 | 2026年公示地価 | 最寄駅等 |
|---|---|---|
| 上野口町25-13 | 159,000円/㎡ | 大和田駅 約650m |
| 大倉町28-4 | 139,000円/㎡ | 古川橋駅 約750m |
| 柳田町13-17-19 | 126,000円/㎡ | 古川橋駅 約1.1km |
※国土交通省「令和8年地価公示」。標準地の正常価格であり、実際の売買価格やアパート用地の価格を示すものではありません。
土地取得では「門真市の坪単価」だけを見るのではなく、候補地そのものの売買価格と、そこで確保できる賃貸床を比較する必要があります。
古川橋駅徒歩圏の公示地価10年推移
古川橋駅から約750mの標準地「大倉町28-4」を、同一地点で2017年から2026年まで比較します。
2017
133,000
2018
132,000
2019
131,000
2020
131,000
2021
130,000
2022
129,000
2023
129,000
2024
132,000
2025
136,000
2026
139,000
10年間を一直線に上昇しているわけではありません。2017年の133,000円/㎡から2022~2023年には129,000円/㎡まで下落し、その後2024年以降は上昇へ転じています。
2025年の国土交通省鑑定評価では、古川橋駅北側の再開発計画の進展による居住人口増加や地域活性化への期待が地価の背景として記載されています。
ただし、新築アパート投資では地価上昇そのものをメリットと考えるのではなく、土地取得費の上昇に対して想定賃料がどの程度確保できるかを見る必要があります。
門真市で土地から新築アパートを建てるなら「戸数」まで確認する
土地を所有していない投資家の場合、土地価格だけで候補地を比較してはいけません。
例えば、土地価格5,400万円で9戸計画できる土地なら、単純な1戸当たり土地負担は600万円です。
一方、土地価格4,800万円でも6戸しか計画できなければ、1戸当たり土地負担は800万円になります。
土地価格だけを見ると後者の方が安くても、新築アパート事業としては前者の方が収支を作りやすい場合があります。
買付前にボリュームチェックを行う
土地情報が出た時点で、少なくとも次の項目を確認します。
- 用途地域
- 建ぺい率・容積率
- 接道条件・間口・敷地形状
- 建築可能な戸数
- 各住戸の専有面積
- 駐輪場・駐車場等の必要スペース
- 対象駅勢圏の現実的な募集賃料
この確認を行って初めて、土地価格と年間賃料収入を同じ事業として比較できます。
門真市で土地を探す際に注目したい3つの駅勢圏
1.門真市駅周辺|現在の交通利便性+駅前再開発
京阪本線と大阪モノレールが交わり、ららぽーと門真も徒歩圏にあるエリアです。さらに駅前再開発が具体的に進んでいます。
一方で駅に近づくほど土地取得費も高くなりやすいため、駅近という理由だけでなく、確保できる戸数と賃料を総投資額に重ねて判断します。
2.古川橋駅周辺|街区整備と現在の賃貸市場を両方見る
大型住宅・KADOMADO・土地区画整理など、市内でも都市更新が分かりやすく進んでいるエリアです。
一方、公示地価も2024年以降上昇しており、将来性だけではなく、土地取得費に対して新築アパートの賃料が追いつくかを確認する必要があります。
3.門真南周辺|現在の地下鉄アクセス+モノレール延伸
門真南駅は現在すでにOsaka Metro長堀鶴見緑地線が利用でき、将来的には大阪モノレールとの結節も予定されています。
新築1LDKの募集事例も確認できるため、将来のモノレールだけではなく、現在の地下鉄利用者を想定した賃貸需要から収支を組み立てます。
インテグラルの施工事例|土地と建物を一体で考える
新築アパート投資では、土地条件だけではなく、完成後に周辺の競合物件と比較された際の外観、間取り、設備、内装の商品力も重要です。
現在、インテグラル公式施工事例で門真市内の掲載事例は確認できないため、他地域の物件を門真市の施工例として掲載することはせず、インテグラルが実際に施工した物件を建物づくりの参考事例としてご紹介します。




同じ土地面積でも、敷地形状や法規制、ターゲットとする入居者によって最適な戸数・専有面積・間取りは変わります。土地取得前から建物まで一体で検討することが重要です。
土地を持っていなくても土地探しから検討できる
土地を持っていない方が新築アパート投資を始める場合、「土地を買ってから建築会社へ相談する」という順番では、想定した戸数が入らない、賃料に対して土地価格が高すぎるといった問題が起こることがあります。
インテグラルでは、土地を所有していない方についても土地探しからサポートしています。
候補地が見つかった段階で、建築可能なボリューム、周辺賃料、建築費を確認し、土地+建物+諸費用を一つの新築アパート事業として判断することが重要です。
まとめ|門真市の再開発を「土地の収支」に落とし込む
門真市では、2026年現在、複数の都市更新が進んでいます。
- 門真市駅前では約510戸の住宅・商業施設を含む第一種市街地再開発が進行
- 2026年7月に権利変換計画認可、11月から解体準備工事予定
- 古川橋駅北側では648戸の大型住宅やKADOMADOなどを整備
- 大阪モノレールは2033年度の延伸開業を目標
- 門真市駅徒歩圏には大型商業施設がすでに開業
- 一方、市は20代・30代の転出抑制を課題として認識している
再開発・新駅・大型商業施設といった情報は、新築アパート投資を検討するうえで重要な周辺材料です。
ただし、それだけで土地を購入するのではなく、候補地ごとに現在の賃貸市場を確認する必要があります。
- 土地取得価格
- 建築可能戸数
- 1戸当たりの専有面積
- 同じ駅勢圏の新築・築浅アパート募集賃料
- 建築費・諸費用を含めた総投資額
- 再開発後の賃料上昇を入れなくても収支が成立するか
現在の条件で成立する土地を選び、再開発やモノレール延伸を中長期的な上振れ材料として考えることが、門真市で土地から新築アパート投資を検討する際の基本になります。
・門真市「人口・世帯数」
・門真市「令和8(2026)年度施政方針」
・門真市「門真市駅前地区第一種市街地再開発事業」
・門真市駅前地区市街地再開発組合「新着情報」
・門真市駅前地区市街地再開発組合「事業計画書」
・野村不動産ほか「門真市駅前地区市街地再開発組合設立認可」
・門真市「古川橋駅北地区における安全・安心で子育てしながら暮らしやすいまちづくり」
・門真市「門真市立文化創造図書館KADOMADO」
・住友不動産「シティタワー古川橋」
・大阪府「大阪モノレール延伸事業」
・大阪モノレール株式会社「中期経営計画2025-2029」
・三井不動産「ららぽーと門真・三井アウトレットパーク大阪門真」
・国土交通省「地価公示・不動産情報ライブラリ」
・SUUMO 賃貸掲載情報(2026年10月14日確認)
・株式会社インテグラル公式サイト・施工事例
※本記事は2026年10月14日時点で確認できる情報を基に作成しています。再開発、鉄道事業、建築計画、募集賃料等は今後変更される場合があります。
※掲載した賃料は募集賃料であり、実際の成約賃料を示すものではありません。
※公示地価は標準地の正常価格であり、個別の土地の実際の売買価格とは異なります。
※土地取得・建築にあたっては、対象地ごとの用途地域・法規制・接道・建築可能ボリューム等の個別確認が必要です。

